きいろいゾウ (小学館文庫)

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著者 : 西加奈子
  • ¥ 710
  • 小学館 (2008年3月6日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (488ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094082517

きいろいゾウ (小学館文庫)の感想・レビュー・書評

  • 映画を見て興ざめしてしまいましたが、本は最高でした!w
    植物や動物が語りかけてくる、湿度や味や、匂いまでも感じられる本。
    始めの西加奈子さん著書、大好きになりました。

  • 夫婦ふたりののんびり感が和む。後半の盛り上がりエピソードは、ああそう・・・という感じだったけど。どの人にも対する相手を用意していて、著者は優しい人なんだなーと思った。

  • (*01)
    構成から言えば、四季に展開する各章は、ツマ(*02)の口語の語りの前半とムコの文語とは言えない散文の日記からなる後半のセットとして原則として一日を綴った各節に細分されている。また章には、きいろいゾウの絵本の太字の文章パートが細分されて配分されており、全巻の前後を、ほぼ同様の内容となる必要なものリストが挟んでいる。
    月と鳥は主要なモチーフとなっており、黄色のゾウがこれらをなかだちしている。
    こうした構成的な構成は、論理的な推理小説に見られ、昨今ではミステリーの主要な文体としても流布している。本書は、殺人があって、その殺人に謎があり、謎が解かれ物語が終わる推理小説ではないが、そこにそこそこの謎があり、一部の謎は残されながら、謎は解かれつつ終局にいたるという点で、ミステリー的でもある。

    (*02)
    ツマに対するのはオットであり、ムコに対するのはヨメである。ゆえにツマとムコのセットというのは非対称でもある。
    女は残されゆくもの、男は出てゆくものという点で本書は大きな民俗の物語に回収されている。主人公夫妻のツマとムコに限らず、洋子と大地、その他のカップルについても概ねそのような方向にあるが、アレチさんのエピソードはその点で逆路線にも見え、ピリッと効いている。
    思えば、カンユさんという犬にしても女性性を刻んでおり、ソテツのヨル(*03)にしても雌株を思わせる何かにある。もちろんこうした女性性は干満のある月との関係で読まれるだろう。

    (*03)
    夜はどうだろう。雨はどうだろう。こうした象徴的な背景の操作とは別に、換喩によってずらされていく象徴作用も本書の特徴である。
    カンユは肝油(*04)として説明されているが、もちろん音として換喩を含意し、前後には韓愈を意識したような文章も挿入されている。擬音やオノマトペや平がなや体言止めなど、ツマのパートには様々な技法のオンパレードとなっており、これらの行進は、アニミズムな世界観や曼荼羅な配置と共鳴しているが、一方で換喩による意味のずらしとも連動しているとも捉えられる。
    物語を、登場人物の雑多な出来事からある象徴性や神秘性や普遍性ももった何事かに昇華させることは、こうした操作によって成功している。

    (*04)
    昭和20年という画期も物語に奥行きを与えているが、多くの雑多な物事は、1980年代から90年代に寄せられている。メガデスといってヘビイなメタルを想起させたり、読者年代にある時代へのノスタルジーも、本書は余すことなく動員している。

  • 最初は田舎に移り住んだ夫婦ののどかな話。
    このまま終わりまで? と思っていると、いつの間にか精神世界が展開された話になって。
    でも終わりはやっぱり夫婦の話。とてもいい話。

  • ツマとムコ夫婦の物語です。田舎暮らしで近所の人や動物たちとの交流場面がのんびりまったり進んでいるかと思うと、シリアスになったりホラーっぽくなったり。とても感受性の強いツマの視点とムコの日記にズレがあるのがリアルに感じられました。大地君のことや、メガデス、カンユさん、コソクたち動物のシーンは好きですが、ムコと「ない姉ちゃん」のエピソードには軽い嫌悪感を抱きました。読み進めるのがちょっときつかったですが、ラストの大きな5文字が、ホッとした気持ちにさせてくれました。

  • 田舎で暮らす夫のムコと妻のツマの話。ツマには不思議な力があって、ムコにはツマの知らない過去があって。前にこの本を手にしたときは全く進まなくて体が拒否してるみたいだったのに、なぜかスルスルと入ってきた。でも調子に乗って読み進めているとなぜだか苦しくなったりして。私もムコさんに「大丈夫ですよ。」と言われたい。

  • ツマの生きている世界に恋い焦がれます。

  • 306
    黒い部分とほほえましい部分の両極端。ほほえましい部分だけをずっと読んでいたかった、という感じでした。
    同著者、読了1作目。

  • 2016年初の読了は、大好きな西加奈子さんの「きいろいゾウ」
    後半の展開に驚き。期待を裏切らない、さすが西加奈子さん!

  •  アメトークで西加奈子を推していたので読んでみた。映画化された小説でもある。この一冊で判断すると二冊目はない、無いとは読まないいう事である。理由としてはあまりにも主観的目線からの語りが多すぎて単純に好きになれないし、書かれている内容にも興味がもてなかった。

  • こーいう薄い不思議ちゃん系はムリ。…と思って読んでたんですが…中盤から怒涛の終盤へと…カフカ的というかアムリタ的というか…突然…ハマってしまった。西加奈子…結果的に良く仕上げていると思う。ただこれが西加奈子の最初の本だとしたらハマらない読者も多いと思う。

  • 独特なゆったりした世界の本
    感受性豊かでわがままでもあって思い詰めるも何をするかよくわからない怖いツマ。そんなツマを大切に想うムコさんに憧れる。
    ファンタジーな本だけど、結構好き

  • 前半の田舎暮らしのほのぼの感から後半で急に内面的な闇を書くような感じに変わってちょっと違和感。
    背中に刺青っていう時点で引いた。別の表現にしてくれたらよかったのに。
    たまに出てくる生々しい描写はなんの意味があるんだろう。
    大地くんの話はいい話だった。

  • 子どもの様に純粋な心と世界を持つ「ツマ」そんな「ツマ」を優しく包み込む「ムコ」。
    世間のしがらみとかに囚われずのびのびと暮らす夫婦
    そんな夫婦を取り巻く環境、人物がまた素敵で大好き

    どんな人間にも必ず、闇の部分がある。
    でもそれを隠して生きている。相手のその闇を受け止めた時恋人ではなくて本当の夫婦って呼べるのかなと思ったり。。

  • 主人公の考え方、物事の捉え方、言動に共感。「あー、これわかる…」が沢山。そしてムコとのやりとりが微笑ましく、ずっとにやにやしてしまいました。登場人物たちも個性豊かで、賑やかです。ただ、後半は集中力が足りず、理解不足でした。またのちほど読み込みたいと思います。

  • もっと若いときに読んでいたらいまいち分からなかったかもしれない。
    相手を大切に思うあまり、言いたいことを言えなくなる。
    そういうことってあるよねと、いまこの年齢だからこそ響いたように思う。

    夫婦間だけでなく、近所の人たちもツマとムコのことが大好きということが伝わってきて心地よい小説だった。

  • ほのぼの系の小説かと思いきや、後半のいきなりの狂気ぶり。
    芸術系の人たちの狂気は、一般人には理解ができない。。
    周りに迷惑をかけずに、良い作品を作ってもらいたいものだけど。。

  • 主人公がかわいい。少し共感。きれい。

  • 西さんはほんとに感情が豊かで表現力に長けているなぁと感じた。
    ツマとムコはとってもいい夫婦だとおもった。
    距離の取り方や相手のことを一番理解しているところが素敵だとおもった。一時期はどうなることかとも思ったけど幸せそうでよかった。
    でもこの小説で一番好きなのは断然アレチさん!
    どんじゃらの時のアレチさんが可愛すぎる!
    カンユさんもふてぶてしさが可愛かった。
    全部の登場人物のキャラクターがたっていて良かった。

  • ちょっと分量が多い気もするが
    ずっと読んでいたい気もして
    これ全開で西加奈子って感じでよかった。

    読んでいて、
    自分の心が解放されていくような
    ほぐれていく感覚が楽しい。

    メガデスやコソク、カンユさん好きやわぁ。

  • 昔、途中でつまらなくなって中断した。

    作者の小説を好きだと言う人が多いので
    改めて読んでみた。

    最後まで読めた。

    読めたけど。。。いろんな事詰め込みすぎて
    混乱。

    好きではない。

    でも他の作品も読んでみよう。

  • 以前、西可奈子さんの本を読んだことがある知人にどんな感じの本を書く作家さんかと聞いてみたら「合わなかった」と一言。それでしばらく敬遠していたのだけど、なにかと耳目に触れる機会が多かったので、地元の小さな本屋さんの棚に並んだ数冊の中から直感でこのタイトルを選び、読んでみた。

    文体、世界観、キャラクターなど、確かに合わない人には合わないかも知れないと感じた。

    自分は前半のほのぼのとした田舎暮らしの描写も、後半の胸の苦しくなるようなすれ違い、過去との葛藤も、どちらも良いテンポで楽しみ、没頭することができたので大満足。

    挿話としてのきいろいぞうの絵本は、絵本そのものに記された内容というより、ツマさんの空想や妄想をも含めた、実体験の回想と思った方がしっくりくる。

    日記を盗み見たり貼り付けたりしていたのが本当なら、ムコさんのメッセージに対するリアクションについてもう少し具体的な描写がほしかったかなと思う。

    読後感もさわやかで良かった。

  • ムコさんとツマさん夫婦の田舎暮らしを描いた物語。
    ほのぼのした日常、あったかい人々とたくさんの動物が出てくるこの空気感がだいすきだ。が、読むにつれてツマさんの言葉とムコさんの日記から、お互いの捉え方の違いに気づく。
    なんかわかるわー。苦しくなるような、そんな気持ちになる。
    わたしも夫とふたりで仲良く暮らしていてなんの不満もないけど、時々こんなだいすきな人でも、自分の気持ちを100%理解して共感してくれることはないのか、とふと気付き、悲しくなることがある。そんなの他人だから当然のことなのにね。
    「ムコさんなんで東京行ってまうねーーん!」とハラハラしたけど、最後は大切な人に気付けて良かった。
    わたしも、今の幸せに改めて気づいた気がする。

    大人びた小学生大地くんとツマさんの会話は、どっちが子どもかわからなくなる感じがとてもすき。
    動物へのネーミングセンスが秀逸。

  • 田舎暮らし
    虫や動物の声が聞こえるツマと、ムコさんの穏やかな日常ファンタジー
    個性的で幸せな家族や環境
    少しずつ大人になっていく子供
    さようならには、たくさんのありがとうが詰まってる

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